多品種生産の管理はなぜ面倒くさいのか——でも、やる価値がある
少量多品種生産はあらゆる事が面倒くさい。そしてそれがいつも物事が進まない言い訳になる。
これは正直な話で、東南アジアの現地メーカーでさえ、多品種部品は「やりたくない仕事」に分類されることが多い。品番ごとに原単位を設定しなければならない。工程ルートが品番によって違う。管理する項目の数が品番数に比例して増えていく。
これをサボるとどうなるか。どんぶり勘定になる。全体の売上と原価を大まかに比較して「まあ利益は出ている」という管理になる。問題は「どの品番で儲かっていて、どの品番で損しているか」が分からなくなることだ。赤字品番を量産しながら気づかずに売り続ける、という状態が実際に起きる。
私が長年やってきたのは「層別管理」だ。生産量・単価・原単位からABC分析で品番を層別し、Aランクは細かく管理し、Cランクは在庫で吸収する。すべてを同じ精度で管理しようとすると破綻する。メリハリをつけることで、多品種でも持続可能な管理ができる。
面倒くさくてもコツコツ積み重ね続ければ、それは「自社にしかない財産」になる。品番ごとのコスト構造と、工程の最適化履歴と、トラブルの知見が蓄積されたデータベースは、簡単には真似できない。それが積み上げ管理の本当の価値だ。多品種生産を「面倒だからざっくり管理」にしている会社と、「面倒でもコツコツやる」会社では、10年後の原価競争力が全然違う。
